第14章 笑顔の半分
あれから何年経っただろう
俺は相変わらず、仲間と笑ってる....
今はホテル経営して、
時々、人間の天敵になって...
無理はもうしとらんから心配せんでええで。
でも、1つだけ言わせてもらえるなら
お前以上に俺を理解してくれる、女に会わんから
俺は永遠の時を伴侶と会う事はないんやろな?
お前が言ってた、神が奇跡を起こすんやったら、
もう一度お前と笑いあいたいな。
でも、俺の笑顔の半分はお前やから
お前は俺の中で永久に生きてるから
俺は辛いけど寂しくはない
俺は、必ず毎日、夜になると
屋敷の庭の隅にある猫の墓に会いに来ていた....
未練たらしい男やけど、忘れる事が出来んかったから
丸山「....また、来てたんだ、ここに」
マルは後ろから優しく声をかけてきてた
村上「ふはっ、あかんな俺は...」
マルは静かに首を振った
丸山「ねぇ、村上くん、コイツは俺の膝に抱かれながらずっと村上くんを見てたんだよ、ずっと...」
そう俺に告げると、白い薔薇を墓に供えた
村上「俺、気が付かんかったわ...」
俺は悔しくって俯いた
そんな俺の肩をマルは優しく抱きしめ
丸山「...だから、幸せだったんだよ、
この子は満足して旅立てたから、本当にありがとう」
マルの目に涙が浮かんでた
村上「アホ!俺も幸せな夢を見れたんやから、ええねんで」
そう言い、マルの肩を抱き、猫の墓を後にした
俺は、女のおかげで仲間の愛を知り
人を愛す事を知り
愛される事を知った
例え吸血鬼であろうと、俺達の心は人間だと
これからも、俺は迷う事があるだろ
俺と言う者に
でも、必ず道を見付けられると思う
俺には愛してくれる仲間と
女がいたから.....
END