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Dye D? <番外編 村上>

第1章 不服


俺は、外に出て
今にも全壊しそうな屋敷を見つめていた。


俺たち吸血鬼は、
もちろん夜にしか、外で活動出来ない。

屋敷の中なら、昼間も過ごせる。

それが争いの元なのだ...、
狭くて眠れず起きているから、
イライラしている。

一人で屋敷を見つめてる俺の足下に、
猫が身体をすり寄せてきた。

こいつの甘えかたは、本当に可愛い。

村上「おん、お前も来たんか?」


俺が抱き寄せると、嬉しそうに鳴く


村上「俺らはどうしたらええんやろなぁ...」


俺の気持ちを話しても、
猫は知らん顔して俺に抱かれてる

その様子に、なぜか笑えてくる。

この自由さが羨ましい。


横山「お前でも、不安になるんやな」


突然、後ろから声を掛けられ驚いた。

振り向くと、横山が立っていた。


村上「なんや、横、お前も来たん?」


猫を抱きながら言うと、横山は猫に目線を送り


横山「猫は屋敷につくんやな....」


村上「どういう事や?」

横山は時々、変な事を言う。


横山「犬は主人につくが、猫は屋敷につくんやて..」


俺は、その言葉で猫を見つめながら考えた


村上「俺らが離れたら、こいつは....」


横山「一匹で、ここに居るやろな、ずっと...」


横は冷たく吐いた。

すると、猫が返事をしたように鳴いた。


村上「そっかぁ....」


俺はなんか悲しくなり、猫の頭を撫でた。

そんな様子を
横山は見ながら笑った。


横山「吸血鬼が猫を飼ってるって、変な話しやな」


村上「ほんまやな」


俺も笑いながら猫を見つめた。

ここを離れたらこいつは?

情けないが、
吸血鬼がなぜか情に溺れていたのだ。
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