第8章 夢
俺は久しぶりに、深い眠りについていた
夢の中で、俺は女を嫁にしていた
この屋敷で二人で暮らしてた。
その膝に猫が幸せそうに鳴いていた
丸山「....村上くん、大丈夫?」
目を覚ますと、マルが心配そうに俺を見ていた
丸山「ひどく、うなされてたから...」
マルは俺の汗を優しく拭いてくれていた
村上「なぁ、マル....」
俺の問いかけに、マルは優しく微笑む
村上「あの女は、もしかして....」
丸山は、言葉を発せない俺の口に
人指し指をかざして
丸山「しーーーっ、今は夢をみよう...」
優しくそう言った
俺は、黙って頷いた
丸山「彼女に夢を.....」
村上「おん、俺が見せるわ....」
俺はそう言うと、マルの頭を優しく撫でた
丸山「む、村上くん?」
マルは驚いて俺を見た
村上「おん、なんや?俺なら大丈夫やで」
マルは心配そうに俺を見た
村上「彼女は俺を選んでくれたんやろ?
なら、俺は答えたらなアカンしな....」
丸山「村上くん、変わったね...」
マルの言葉に俺は笑った
村上「俺はなーんも変わっとらんよ、
ただ吹っ切れただけや、アイツのおかげで...」
丸山「....そっかぁ」
優しく微笑むマルの頭を、俺はもう一度撫でた
心優しいマルが俺のかわりに泣いていたからだ
村上「....俺にまかせとけ、大丈夫やから」
そう言うと、俺はマルの側から離れて去った