第5章 時間
俺は、その言葉が引っ掛かった。
女の言う「間に合う」とは、何の事なんだ?
村上「どういう事や?」
俺は背中に抱きついてる
女を離して、女の真正面から見た。
女は寂しそうに俯いた
「....私には時間がないから...」
村上「時間?」
女の悲しそうな顔に、
何か秘密を隠していると感じてしまった。
「....私ね、もうすぐこの土地を離れなきゃならないんだ...」
女の言葉に俺は驚いた
その瞬間に俺は自分の感情のままに動いてしまい、
女を抱きしめた
村上「....行かさん」
俺の突然の行動に女の顔は、キョトンとした
俺は強く抱きしめ続け
村上「絶対に、俺の側から行かさんから...」
俺の言葉に、女は俺の胸で俯いた
「そうなったらいいなぁ.....」
俺は、女を見つめた
離したくなかったから
こんなに俺の気持ちが動くなんて
すると女の手が顔に伸びてきた
俺の心は期待してた
俺の恋の展開に
村上「いたぁぁぁ!!!!!」
俺は思いっきり、頬をつねられた
「私、命令は嫌いだから」
そう言うと、女は意地悪そうに笑った
何なんだ、この女は
突然 可愛くなるし
そうかと思うと自由で
どこまでも自由な女
でも、俺の心を縛りつけていた。