第20章 甘えても【黄瀬涼太】R18
「あっ!いた!探したっス!!」
涼太くんが練習中、ドリンクを作りを体育館を少し離れただけなのに探しに来た。
「どうしたの?」
いつもはわざわざ探しになんて来ないのに…
「夏姫……」
私の名前を呼ぶなりギュッと彼の大きな身体に包まれた。
ガシャンとドリンクの入った籠を落としても涼太くんは気にしない。
「涼太くん?」
「なんだが今日は夏姫と離れたく無いんスよ…だから、オレの前からいなくならないで」
この時間、ドリンク作りに行くのなんていつもの事なのにな…
「なんだが今日の涼太くんは甘えん坊さんなんだね」
「そんな事……」
「あるよ…」
でも今日は甘えたっていいよ。
誕生日なんだもん。
「じゃあ、部活が終わったらもっと甘えてもいいっスか?」
「えっ?あ………いいよ」
「っしゃあ!!んじゃ残りも頑張るっスね~!あっ、ドリンク運ぶっス」
涼太くんはドリンクを拾うとご機嫌な様子で体育館に戻っていった。