第3章 ラッキーアイテムだからって【高尾和成】
「高尾、お前ついに振られた挙げ句緑間に取られたのか」
「帰りにオレの家によってけ。パイナップルでも何でもやる」
「泣きたければ泣けばいい」
宮地先輩、木村先輩、大坪先輩と何故か、オレを心配する。
「オレ、振られて無いですよ」
「でも、緑間…」
「ラッキーアイテムがセーラー服みたいで真ちゃんが無理矢理連れてるんですよ」
彼氏の前でよくも堂々と3P打てるよね真ちゃんさ~。
夏姫なんてただ隣に立ってるだけだよ?
夏姫じゃなくても良くない?
「あっ真ちゃん~夏姫借りてくね」
「高尾!待つのだよ!」
「高尾君!」
オレは夏姫の手を引いて部室にやってきた。
「夏姫、服脱いで!」
「高尾君!?ちょっ!!…………あっ」
オレの手は夏姫のセーラー服を脱がせ始めていた。
「高尾君……やだ…………やめ………て」
「………………夏姫っ!!ごめん!オレ」
最低だオレ。
夏姫を………好きな子を泣かせてしまった。
「ごめん!本当……………」
カッコ悪いな……………オレ。
真ちゃんにヤキモチなんて妬いてさ。
ラッキーアイテム無いと真ちゃん不幸続きなのは知ってるぜ。
でもさ、夏姫だけはダメだった。
1日くらいならさ………って朝は思ってだけど時間が経つにつれてオレが保たなかった。