第3章 ラッキーアイテムだからって【高尾和成】
「夏姫、今日のラッキーアイテムはお前なのだよ」
「は?」
「えっ?」
真ちゃん、朝から何言ってんの?
「ちょっと待ってよ、真ちゃん。詳しく教えて」
「今言ったのだよ。夏姫がラッキーアイテムなのだよ」
いや、意味分からないのだよ。
「私の何がラッキーアイテムなの?」
「そうだよ!真ちゃん、女の子だったら真ちゃん家にもいんじゃん」
「女の子ではないのだよ。ラッキーアイテムはセーラー服なのだよ」
「え?セーラー服?」
「だから夏姫がラッキーアイテムと言っているのだよ」
そんな事でオレの彼女ラッキーアイテムにすんの?
「今日はオレと一緒にいるのだよ」
「え…緑間君!?」
「ちょっ!!真ちゃん!!」
真ちゃんは夏姫の手を握りスタスタと歩いて言った。
最悪な事に偶然にも真ちゃんと夏姫は席が隣同士。
いつもなら2人の席の間にオレが来ても真ちゃんは何も言ってこないのに今日は違った。
「高尾!!邪魔なのだよ!お前のせいでオレにもしもの事があったらどうするのだよ!」
「つーか真ちゃんさ、夏姫じゃなくてもいいんじゃねーの?」
周りの女子もセーラー服なんだしさ。
「高尾、他にどうしろと?」
「他の女子に頼むとかさ……………あ、真ちゃんには無理か」
そういえば真ちゃんが夏姫以外の女子と話す所見たことねーわ。
でもだからってそれはねーよ!