第8章 仕事だからじゃねえ【火神大我】
目を開けるとそこは白い世界。
ぼーっとする意識の中ここはドコなのか、何故ここに居るのか理解するのに時間はかからなかった。
「………大我?」
手に温もりを感じ視線を移すとそこには眠る大我の姿。
仕事中なのかは分からないけど消防の制服を着ていた。
「……ん。………………夏姫?大丈夫かよ?何ともねーか?」
そう聞きながら私の頬や、頭をペタペタと触る。
「大我…くすぐったいよ…」
「……………はあ……ったく。心配させんな」
「ごめんね…」
私が迷子になったから
ギュッ
「大我?苦しいよ…」
「オレ…お前が倒れていた時、心臓止まるかと思った。オレが仕事が入ってなかったらこんなことになんなかった…」
大我は自分に仕事が入ったから自分のせいだと責任を感じていた。
「大我のせいじゃないよ…私が」
「オレ…」
「もう謝らないで……私ね大我にプレゼントがあるの」
鞄を手に取ると中からさっき買ったプレゼントを渡した。
「これ……」
バスケットボールの描かれたペアのマグカップ
「お泊まりした時に使えたらな~って」
「泊まりって………毎日使えねーだろ」
「毎日泊まれないよ…」
「なら一緒に住めばいいだろ?」