第52章 二人だけの場所【黛千尋】
赤司くんとの話が終わると予鈴のチャイムが鳴った。
「もう終わり?」
教室に戻らないと…
私は荷物を片付けて、ふと千尋を見た。
だけど千尋は止める様子も無く、じっと本を読んでいた。
「千尋、また授業サボる気?」
「いいだろ?別に…」
「ダメに決まってるでしょ?」
「真面目だな?サボるのはオレの勝手だろ?」
「ダメ!バレたら部活だって…」
「レギュラー下ろされたってオレは困りゃしねーよ。元々辞めてるだろ?一度…」
千尋を引き戻したのは赤司くんだった。
それもレギュラーに…
「怒ってるの?」
「怒ってねーよ」
嘘
さっきと様子おかしいし…
そしてぎこちないまま休み時間は終わりを告げた。