第50章 パパはじめました【黒子テツヤ】
お風呂が沸き、息子と二人にお風呂に入った。
夏姫と交代で入れていて今日は僕の番でした。
「しっかり肩まで浸かりましょう」
「いやっ!ママぁ~!」
「肩まで浸からない子はママには会えません」
そういえばチャポンと肩まで湯に浸かる。
ママという言葉は最強なのです。
まあ、早く浸かってもらわないと逆上せるので…僕が。
「ママぁ!」
「ホカホカだねぇ」
お風呂から上がれば身体もろくに拭かないまま夏姫に飛びつきに行った。
夏姫の持つバスタオルに包まれゴシゴシ拭かれる姿に僕はいつも羨ましいと思っていた。
僕の方が付き合いは長いのにそんな事は一度もありませんから一度も。
「パパ!」
夏姫に髪を乾かしてもらった後に○○が持ってきたのはさっきの桃太郎とは、別の絵本だった。
「桃太郎はもういいんですか?」
「うん」
「じゃあ少しだけですよ」
○○をベッドへ寝かしその隣で僕は絵本のページを開き読み始めた。
「すぅ………」
半分も読まないまま眠りにつき、音を立てないようにそっと寝室を後にした。