第48章 大きなオオカミさん【紫原敦】
「紫原くんは甘いもの好きなの?」
「俺はお菓子なら何でも好きかな~」
オオカミさん…紫原くんに肩車されながら歩いていると…
グイッ
「うっ…」
木の枝が私の頭巾を突き刺した。
首元は縛ってあるので首が苦しい。
「あれれ?」
紫原くんは足を止めていた。
「大丈夫~?」
大丈夫な訳がない。
早く助けてください。
みんなが見つかるより先に私は天国に行ってしまう。
紫原くんにより、ようやく苦しみから開放された。
頭巾は枝に刺さったまま、髪はボサボサだった。
「ありがとう…」
「別に…どーってことないし」
大きいから大人かと思えば中身はまだ子ども。
人は見かけで判断出来ませんね。