第44章 6人のカラずきんと6人(匹)のオオカミ【黒子テツヤ】
「あれ?みんな何処だろう…」
一番後ろを歩いていた夏姫はみんなとはぐれてしまいその場をウロウロしていた。
「あの…」
「ああ…どうしよう…」
「あの…すみません…」
「うわぁ!!」
夏姫は声を掛けられたが声の主が分からずキョロキョロしていると、いきなりオオカミが姿を現した。
「オオカミ!?どうしよう…食べられる!?私…」
オオカミから距離を取ろうとし、一歩足を後ろに引くと、丁度木の根っこに当りそのまま後ろへ倒れ込んでしまった。
「私…おいしくないので食べても良いことないですよ!!」
「なんの話ですか?」
「え!?オオカミでしょ?」
「はい、オオカミです。僕は黄瀬くんや青峰くんと違いますから。ここに来たのは、赤司くんに言われたからです」
「理由ないの…」
夏姫はほっとしたのか黒子に悪印象は無かった。
「それより何処へ行くんですか?」
「そうだ!!私お花を摘まないと!!」
「なら近くにキレイな花畑があるんですよ。案内しますよ」
「いいの!?ありがとう!!」