第6章 ラノベのような【黛千尋】
バスケ部を辞めてから今日も図書室でまたラノベを探している。
何でか洛山の図書室はラノベが充実していた。
偶然なのか、それとも管理してるヤツがヲタクなだけで無駄遣いしてるだけなのか?
ラノベ好きとしては助かるから良いんだけど……
「あの……いつも、ラ……ライトノベル……借りてますよね」
「………そうだけど」
「好きなんですか?そういう本」
「悪いか?好きで」
ある日、図書室で本を選んでいたら一人の女に声をかけれた。
「私……図書委員だから……よく見かけて」
「そう……」
だから何なんだとは思う。
「あの、この本……今日入ったばかり何ですけど…」
渡されたのは一冊の本
時計仕掛けの林檎と蜂蜜だった。
気になった作品だった。
「……ありがと」
「いえ……」
その時ふと、見せた笑みにオレは何かを感じた。
特に考えもしないまま屋上で読んでいたら
アイツがやってきたという事だ。
周りに変なヤツばかりいるとオレも何か特殊じゃないのかとは思うがせいぜい少し存在が薄い位だ。