第37章 彼氏がモデルを辞めるそうです【黄瀬涼太】
【黄瀬】
夏姫と最近話せていない。
生徒会長になった日から俺の隣に居ることすら減っている。
「黄瀬くん!!雑誌読んだよ!!」
「私も!!」
来るのはいつもファンの子ばかり…
顔触れはいつも一緒。
『黄瀬くん』
夏姫にそう呼ばれたい。
今すぐにでも。
視界の隅で誰かがこちらを見ていた。
「夏姫…」
しかし、夏姫はどこかに行ってしまい姿が見えなくなってしまった。
どうしてそんな
「悲しそうな顔するんスか…」
「黄瀬くんどうしたの?」
「これにサインしてよー」
こんなことモデルじゃなかったら、しなくて済むんスけど…
辞めたら…一緒にいられるんスか?
「もう…サインはしないっス」
決めたっス
「モデルは辞めるっスよ…」
モデルは辞める。