第29章 彼氏が小さくなりました【黄瀬涼太】
【黄瀬】
外は暗くなり新たに出た問題…お風呂。
食事すら考えられないほどボロボロとこぼしてしまった。
一人で入れる様になったのは小学生になってから。
見た目は幼稚園児のオレにはレベルが高った。
「よし、一緒に入ろうか」
「いっしょにっすか?」
いやいや…こんな幼児体型のオレとっスか?
でも夏姫からのお誘いも貴重っス。
一体どうすれば…
★☆★☆★☆
チャポン___
「涼太くん、目閉じててね」
結局一緒に入った。
頭も体も洗ってもらった。
昨日はそれすらなくただ一緒に湯船に浸かっただけだった。
「つぎはおれがやるっす」
髪は手が伸びず無理だった。
洗わせてくれたのは背中だけ。
小さくなっても他はダメだった。
湯船に浸かりオレは足を伸ばした夏姫の上に座っていた。
「あーふべんっすね」
そう言うものちょっと嬉しかったりする。
こんな事は小さくないと出来ない。
幼稚園児らしくしとけば良かったっスね。
「涼太くん~…へへっ。小さいと可愛いね~」
夏姫は後ろから抱きしめる
「ちょ…………と」
当たってるっス。
………胸が。
いくら小さくても中身は高校生だ。
「だめっす!」
「えっ……涼太くん?!」
オレは夏姫の上からおりると後ろへ回った。
ギュッ___
「涼太くん?」
「はやくもどりたいっす…」
小さかったら何も出来ない。
「み、みちゃだめっす……………っ、くしゅん!!」
振り向こうとする夏姫を止めようとしたらくしゃみが出た。
その瞬間目の前が真っ白になった。
「…………あれ?」
急に狭くなったお風呂。
見上げていた夏姫の頭は視線の下。
全部回らなかった腕はしっかりと夏姫を包んでいた。
「あれ?あれ?オレ……戻ってる?」
確認するといつものオレだった。
「やった!夏姫、オレ戻ったっス!」
「うん………よかったね」
戻ったことで夏姫は身体を隠すように丸まってしまった。