第28章 夏祭り【黒子テツヤ】
「黒子くん、さつきさんとこちらに来るそうですよ」
「もう来るのかよ」
メールを送ったら直ぐに返信がきた。
黒子が来る間青峰くんに中学の時の黒子くんの話を聞いた。
まだまだ私の知らない黒子くんがたくさんあった。
「わん!」
「2号!」
こちらへ鳴きながら走ってきたのは2号。
その後に黒子くんとさつきさんがこちらへやってきた。
「黒子くん!」
「さつき…てめえどこほっつき歩いてんだよ!」
「夏姫さん」
「フラフラ居なくなったのは青峰くんでしょ?さぁ、帰るよ!テツくん!またね!」
さつきさんは青峰さんを見つけるなりズルズルと引くように行ってしまった。
「夏姫さん、すみません…来た早々に不安にさせてしまって」
「ううん、でも会えて良かった」
「はい…」
ドン!
屋台や提灯の灯りだけだった場所が大きな音と共に明るくなった。
「あっ……」
「花火……始まったみたいですね」
「綺麗」
「そうですね」
夜空には次々と色鮮やかな花火が打ち上げられていった。
「夏姫さん」
「何?………っん」
黒子くんに呼ばれ向いた瞬間に唇が重なった。
「ダメ……でした?」
「ダメ…じゃないです」
少し困った表情で言われてしまえば断ることすら出来なかった。
「ではもう少しだけ…」
夜空には花のように咲く花火
その下で私は黒子くんに甘い時を過ごした。