第4章 看病【黄瀬涼太】
「り……涼太…………君」
「夏姫?」
熱が高いせいかトロンとした瞳が普段の彼女と違う雰囲気を出す。
それに……
「反則っスよ。いきなり名前で呼ぶのは……」
普段は名字で呼ぶくせに今日初めて名前で呼ばれた。
「今じゃないんスけどね…」
「涼太君……もう帰っちゃうの?」
「まだ帰らないっスよ。もう少し居るつもり」
普段甘えるなんて行為すらないンスから余計にドキドキと鼓動がはやくなる。
「…夏姫…早く良くなってオレのバスケ見て欲しいっス」
の夏姫頭を撫でながら呟くもぼんやりしていた彼女はいつの間にか夢の中。
ちゅっ…
軽く彼女の唇に触れた。
本当はもっと………それ以上に触れたいんスよ。
今は我慢。
我慢したら良いこと絶対にあるっスよね。
きっと!