第21章 彼氏がお見合いをするそうです【赤司征十郎】
「赤司くーん!!」
ホテルに着き、赤司くんを探すとロビーのソファーに座っていた。
「夏姫…なぜ君がここに?」
赤司くんは驚くように私を見た。
「もう!!お見合いなんて聞いてないよ!!」
「ああ。言っていないからな」
それはそうだけど。
「なんで教えてくれなかったの?」
「もともと断るつもりだったから。夏姫に言うほどの問題ではない」
「なによ…それ」
私じゃ頼りないの?
メールも電話も私じゃ頼りないからしないの?
「私、赤司くんの彼女でしょ?」
「ああ。君はオレの彼女だよ…」
「私、頼りないの?」
よくドジるけど…
これでも、赤司くんの事信じて付き合ってるのに…
「頼りにしているよ」
「してない!!」
ロビーに響く私の声。
色んな人がこちらを注目する。
「もう知らない…赤司くんのバカ!!」
私は来たばかりのホテルを飛び出してしまった。
本当はこんな事を言いに来るつもりじゃなかったのに…