第21章 彼氏がお見合いをするそうです【赤司征十郎】
「はぁ…」
店番をしながら溜め息がでる。
お客がいなく暇だからではない。
まあ、今は居ないから暇なのは確かだが…
いつもなら今日は部活があり、練習をしているハズだった。
私が店番をするのは部活が無い日だけ。
「はぁ…」
なぜ急に練習が休みになったかと言うと…
★☆★☆★☆
「明日の練習は急きょ休みになった。だが、大会も近い。各自この休みで体を休め調子を整えてくれ」
部活終了間際に赤司くんが言った。
何で休みなんだろう?
赤司くんに聞いても教えてはくれなかった。
「赤司くん…今どうしてるんだろ?」
メールも電話も繋がらない。
会いたいな。
「赤司くんなら今日〇〇ホテルでお見合いだって聞いたぞ」
「なにそれ!!聞いてない!!」
お見合い!?
どういうこと!?
「嘘でしょ!?」
嘘って言ってよ!!
お父さん!!
「嘘じゃねえよ。お父さん直接聞いたから」
「赤司くんのお父さんに」
ええ…………
「お父さんのバカ!!」
私は包んでいる途中だったどら焼きを片手に店を飛び出した。
「夏姫!?店番は……」
お父さんの声など聞こえてなどおらず、赤司くんがいるというホテルを目指した。