第3章 2時
『。。。なんで?』
近すぎる3人に驚きながらも、
逃げたくても動けない自分を呪う。
不意に、
『うえっ?!』
グッと前へと引き寄せられ、
体が暖かいものに包まれた。
『。。。。。』
頭の上から聞こえる大胆な寝息に、
ゾロの腕の中にいるのだと気付かさせる。
……だから、なんで?
「う……ん…」
優しい声と一緒に背中に柔らかな感触を覚え、
腰に手が回る。
柑橘系のさわやかな香りが鼻腔を掠め、
ナミとの距離が縮まる。
………?
「俺の…………にくぅ!」
足元で声がしたかと思うと、
さらに激痛が走った。
『い"っ!?』
ルフィが私の足を、
噛んだ。
その声にチョッパーが駆け寄ってきた。
「どうした?しん?
……って!ルフィ!」
慌ててルフィを私の足から離すと、
眠っていたナミが起きた。
「ん?どぉしたの?」
『…ル、ルフィが、
わた…しの足を…かんだ』
まだ呼びなれない名前を口にするのに緊張して、
うまく喋れない。