第3章 2時
水を一気に流し込み、
甘い香りのするさっぱりとしたドリンクを、
舌の上で転がす。
「あと、10分ほどしたらマシになってくると思うから、
それまで風にでも当たってろ」
ゆっくりとチョッパーに抱き上げられ、
トイレを出て甲板の芝生の上に降ろされる。
……えっ?ここ??
そこは、誰もいない静かなところではなくて、
数人の一味とルフィが楽しそうに話をしてる。
……気まずい。
目を合わせないように前髪を引っ張るが、
短くなってしまった今は、
隠すこともできない。
諦めて、
反対側に顔だけ向けると、
「大丈夫か?」
『うわぁっ!?』
ゾロが目の前に現れた。
そのまま静かに腰をおろし、
すっと手を伸ばしてくる。
『………っ!………』
少し恐怖を感じたその手は、
優しく私の頭を撫でる。
………?
「ゆっくり寝な」
フッと優しく微笑んで私を見下ろしてくるゾロに、
なんだか変な感じがして、
ゆっくり目を閉じた。