第2章 1時
3人はゆっくりと近づいてくる。
刀を引き抜き構えると、より一層いやらしい声が響く。
「おいおい、俺たち相手に何ができるっていうんだよ?」
ひょろ長いやつが一歩踏み出して、仲間を制する。
「俺が相手してやるよ。ヒヒっ。
ブスはいらねぇが一応女だ。売りゃぁ金になる」
手に持っていた剣をゆらゆらと揺らし、こちらを挑発してくる。
ほかの2人も持っているのは剣だけのようだ。
『下がってて。大丈夫』
女の子にそう言うが、イヤイヤと首を横に振りしがみついてくる。
……これじゃあ、3人も相手にできない!!