第2章 1時
『ハァ…ハァ…』
肩で息を切り女の子のところへと急ぐ。
まだ、そこには海賊はたどり着いてないみたいだが、時間の問題だ。
……急げ、急げっっ!!
駆け上がった階段の先の鍵穴に鍵を差し込む。
扉を開き、さらに女の子の元へ走る。
「おかぁさぁぁん」
声が聞こえた。
女の子の声。
……いたっ!!
ひとり寂しくその場にしゃがみこんで泣いている女の子。
まだ、当たりは静かだ。
……今のうちに。
『もう大丈夫。さぁ、一緒に行こう』
女の子の元へと駆け寄り、抱きかかえる。
「あっれぇぇ?どこ行くのぉ?」
その声に体が凍りつく。
ゆっくりと振り向くと、3人の海賊が。
「なんだぁ?このブサイク。
いっちょ前に刀なんか持ってやがんぜ?」
「わぁ、怖い。ちびっちまいそう」
いやらしく笑う海賊が、気持ち悪く思えた。