第10章 *胸の時間*
烏間side
校庭で、タコと生徒たちがサッカーをしている様子を見ながら、イリーナ・イェラビッチと話をする
「いろいろと接近の手段は用意してたけど……まさか色仕掛けが通じるとは思わなかったわ💧」
「…あぁ、俺も予想外だ」
だが、それならばこいつの本領だろう
彼女はタバコを出し、口に含んでから火を付ける
シュボッ
タバコの煙が彼女を纏う
イリーナ・イェラビッチ
職業・殺し屋
美貌に加え、実に十カ国語を操る対話能力を持ち、いかなる国のガードの固い暗殺対象でも、本人や部下を魅了して容易に近付き
至近距離からたやすく殺す
潜入と接近を高度にこなす暗殺者と聞く
「だが、ただの殺し屋を雇うのはさすがに問題だ、表向きのため、教師の仕事もやってもらうぞ」
俺の話を聴きながら廊下を歩くイリーナ
「…あぁ、別に良いけど」
外へと通じるドアを開け
ガララッ
「私はプロよ、授業なんてやる間も無く仕事は終わるわ」
そう言って外へ出た