第3章 *暗殺の時間*
宇佐見side
渚…
ヒュ
渚がナイフを振りかざした
ドッ
でも、殺せんせーは触手で彼の手を綺麗にかわす
《認めさせなきゃ》
「…言ったでしょう、もっと工夫を…」
《どんな手を使っても》
ふわり
渚が殺せんせーに優しく、ゆっくりと抱きついた
彼の表情は優しく笑っている
「しま…!」
ちらりと見えた彼の首には…BB弾の手榴弾がかけてあった
寺坂はニヤッと笑った
まさか…!!!
「寺坂!やめろ!」
時、すでに遅し
寺坂は、スイッチを押してしまった
バァァァンッ
無数のBB弾が教室の四方八方に飛び散る
教卓の近くの席の生徒にはBB弾がたくさん飛び散っていた
至近距離の渚と殺せんせーは…
ダダッ
「ッしゃあ、やったぜ‼︎百億いただきィ‼︎ざまぁ‼︎まさかこいつも自爆テロは予想してなかったろ‼︎」
やっぱり…
「ちょっと寺坂、渚に何持たせたのよ!」
カエデちゃんがそう聞くと
「あ?オモチャの手榴弾だよ、ただし、火薬を使って威力を上げてる、三百発の対先生弾がすげぇ速さで飛び散るように」
「なっ…」
「あんた達…なんて事を…」
私も加勢する
「人間が死ぬ威力じゃねーよ、俺の百億で治療費ぐらい払ってやらァ」
でも、渚を見た寺坂は何かに気付いたようにビクッとした
なんだ?
私も渚を見る
……無傷?
火傷ひとつ負ってないの?
よかった…
寺坂が、渚を覆っている変な膜を触っている
すると…
上から声が降ってきた
「実は先生、月に一度ほと脱皮をします、脱いだ皮を爆弾に被せて威力を殺した、つまりは月イチで使える奥の手です」
全員が上を見る
先生の顔色は、顔色を見るまでもなく
真っ黒だ
ド怒りなんだ…
「寺坂、吉田、村松…首謀者は君等だな」
そう、先生が聞くと
「えっ、いっ、いや…渚が勝手に…」
そう寺坂が言うと先生は…
ボッ
一瞬で教室のドアから出て
バッ
ものの2秒ほどで、何かを持って教室に入ってきた、常人じゃあ考えられないほどのスピードだ
ゴトッ
ゴンッ
パタ
何かが落ちる音に気付いた三人
「え…あ…」
落ちたものとは…
《!!!俺らん家の表札⁉︎》
殺せんせーは、三人以外の表札も持っている
おそらく私も含めて31人分の