第3章 *暗殺の時間*
宇佐見side
ストーカーすること二分
彼らは旧校舎のグラウンドにつながる階段の前でたむろしている
私は影から物事をうかがっている
暗殺の話をするのなら私にも聞かせろっちゅーんに
「あのタコ、機嫌によって顔の色が変わるだろ、観察しとけって言ったやつできてるか?」
寺坂の質問に
「……一応、余裕な時は緑のしましまなのは覚えてるよね?」
うむ
メモ帳を取り出し三人に説明を始めた渚
「生徒の解答かま間違っていたら暗い紫、正解だったら明るい朱色、面白いのは昼休みの後で…」
寺坂は渚の話を遮るかのように
「俺は知らなくていーんだよ、作戦があるあいつが一番「油断」してる顔の時だ、お前が刺しに行け」
「…僕が?で、でも…」
断ろうとする渚に寺坂はその大きな体を丸め
「いい子ぶってんじゃねーよ、俺らはE組だぜ?」
また、E組…か
「進学校《ここ》の勉強《レベル》についていけなかった脱落組、通称「エンドのE組」
そう言う意味がこもってたんだ
「毎日、山の上の隔離校舎まで通わされてあらゆる面でカスみたいに差別される落ちこぼれの俺等が百億稼ぐチャンスなんて…社会に出たってこの先一生回ってこねぇぞ」
そう言うと、寺坂はズボンのポケットから何かを取り出した
「抜け出すんだよ、このクソみたいな状況から」
袋に入ったそれを渚の目の前に出した
そしてー…
「たとえ…どんな手を使ってもな」
渚はそれを渡せされ、寺坂たちは校舎に戻って行った
「しくじんなよ、渚く〜ん」
「ギャハハハハ」
笑い声と、そんな言葉を残して
「……」
渚はそれを持ったまま何か考えているようだ
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渚side
《渚のやつE組行きだってよ》
《うわ…終わったなアイツ》
《俺、アイツのメアド消すわー…》
《同じレベルと思われたくねーし》
そんな言葉が頭の中でこだまする
脳内を走って通り過ぎるのは
机の上に置かれた転級通知と書かれた紙
友達だったら人たちからの罵声
そして、本校舎と旧校舎を示す看板
渚side end
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宇佐見side start
「渚?」
私は渚に声をかけた
「…宇佐見さん」
少しして、私が声をかけた事に気づいたみたい