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ジョジョ短編集

第20章 story ポルナレフ



「俺だ、わかるか?」

私の病室に入ってきたのは身内の誰でもなかった。身内と同じくらい大切な人だった。

「今は喋れないって聞いたぜ、無理すんなよ」

身体を起こしかけた私をベッドに沈めるよう肩を軽く押してきた。
彼はポルナレフ、5年前付き合い始めた人だ。


確か初対面は学生時代。
学生だった頃、私はよく遅刻をしていた。だから教授に呼び出されてお説教なんてものは毎日のように行われていた。
その日も私は教授に怒られるべく資料室に呼び出され、物凄い怒声が飛ぶ説教を受けているとポルナレフが資料室に入ってきた。
ばちっと目の合った彼は教授に

「まぁまぁ、その辺にしてやんなって」

と止めに入ってきた。
最初はハァ?と思い横目で睨みつけていたがポルナレフは私が遅刻している理由を知っていたらしい。

「…なんでかばったのよ」

「お前、亜理紗だろ?無類の猫好きっていうので俺らの学年で通ってるんだぜ」

それだけ言って立ち去って行った。何を言っているんだ、とむっとしたが後から気が付いた。私が登下校で使う道に捨てられていた猫の世話を毎日欠かさずやっていることを。
私の家には犬や猫を嫌う兄がいるので飼うことができない。だからこうして捨て猫の世話をかって出たのだ。
朝、その世話をしているのをポルナレフは見ていたらしい。


「ポ、ポルナレフさん、あの」

「あ?」

「…教授に口添えしてくれたのはポルナレフさんだって聞いたの、ありがとう」

「気にするこたァねーよ」

あの日以降、怒られることはなかった。何故かと聞いてみればポルナレフが教授にワケを説明してくれていたらしい。
私たちはこの日から、とてもいい関係になっていった。





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