第14章 耐えられない痛み ジョセフ
「はいってもい?」
「どうぞ」
「しっつれいしまーす」
別に何をするでもなく、ジョセフは亜理紗が座っているベッドに腰掛けた。
「…で、なんか悪ィもんでも食ったの?!腹痛って聞いたけど腹出して寝てたとか」
「そんなんじゃないってば!子供じゃあるまいし!」
全く、と亜理紗は溜息をつく。これだからジョセフは…と腕を組んだ。
ガキ扱いされて腹が立っているのだ。
「嘘嘘、シーザーからきいたぜ…っと、俺になんかできることない?」
「は?」
「いやさ、そのォ…俺らにはわかんねー腹痛じゃん?だからちょーっとでも力になりたくてってことよ」
なんだ、わかっているのではないかと軽く小突く。
「いや、大丈夫だよ」
「マジで?」
「マジマジ、今の所痛みは引いてるし…ほっとけば治るし」
色々薬を用意してきたようで、ジョセフのポケットの中にはいろいろな錠剤が入っていた。
「腹だけなの?痛いのって」
「ううん、さっきまでは腰とか頭とか、まあいつもの事だし…」
「い、いつも?!」
「もちろんマシなときもあるけどね?!」
個人差のあるこの痛みは同性でも理解されないことも多々ある。なので異性からすれば未知の領域なのだろう。