第14章 耐えられない痛み ジョセフ
「あ」
「どうしたん?」
「痛い、死ぬ」
「?!」
突然痛みが下腹部を襲った。じんわりと痛みだすお腹をさすってどうにか痛みをこらえようとするがじわじわと痛みが広がっていくと寝転がって痛みが引くのを待たなければならない。
「うわああ…痛いやばい、いってええ…」
「俺どうすればいい?!く、薬か?!」
「い、いい、いらない、いらないからちょっと」
咄嗟に亜理紗はジョセフの手をぎゅっと掴んだ。
「掴ませてほしい、あの、痛みが引くまででいいからッ」
「こんなことで、い、いいのか?」
「うん」
するとジョセフは亜理紗の腰辺りをゆるゆると撫でた。
亜理紗はジト目でジョセフを見上げる。
「…セクハラ?」
「ちげーよ!さ、さっき腰がなんとかって言ってただろ?!楽になるかなって思っただけだぜ!」
しばらくの沈黙の後、下腹部の痛みは引き始め、どうにかまともに話せるようになった。
亜理紗はまたベッドに座り、ジョセフに謝った。
「ごめん、痛かったでしょ…」
「こんなんなんともねーよ、それよりさ」
「…うん?」
輝かんばかりの笑顔でジョセフは言い放った。
「亜理紗が俺の子妊娠したらこんな感じなのかもな!」
「馬鹿にしてんのかジョセフ!!」
枕を思い切りブン投げてベッドの中にもぐりこんだ。
END