第5章 私のモノ 空条
「この子とはどういう関係なんだい?」
「あぁ…ガキの頃からの知り合いでな」
「家族ぐるみの関係だもんね」
この花京院とかいうやつ…どこまで承太郎にベッタリなんだか。本当にそっちの気でもあるんじゃないの?
「私の承太郎なんだから、とらないでよね」
「私の…?それは違うな」
どーせみんなのとか言い出すんでしょ?私はそう言う人達を知っている。承太郎の取り巻きはこぞってみんなそう言いだすけどそれこそ違う。承太郎は紛れもない私の。モノみたいに扱って申し訳ないけれど、これは本当に本当なんだから。
「承太郎は僕の友達だ」
「はあ?」
「だから、僕の承太郎だよ」
な、何を一体コイツは…!
承太郎も少し引いたような目で見ている。そりゃあそうだ。同性に僕のだなんていわれて引かない方がおかしい。
「私の!誰が何と言おうが私の承太郎なの!」
「残念だがそれはかなわない、ここ数十日の承太郎を知っているのは僕だ」
「そ、そんなの理由にならないから!じゃー小さい頃の承太郎を知っているの?!知らないでしょ!」
妙に冷静な花京院にすっっっっごく腹が立つ。なんでこんな人と一緒に過ごせたのかがわからない。私だったら確実にぶん殴ってるのに。
「ね、ねぇ承太郎ッ私と花京院どっちが大切なの?!」
「勿論僕だ、あれだけ命を救いあったんだから」
「はー?関係ないでしょ今は!」
「……お、俺は」
「どっち?!」
久々に見る焦ったような顔を見て私のテンションはマックスになった。