第4章 クラスメイト
兄「流凪。さっき歩いてったの、友達か?」
月島くんたちとタイミングよく入れ違いで
私を迎えに来た兄が言う。
『どうして?』
兄「だって、月原がどーのこーのって聞こえたから」
『へぇ・・・。クラスメイトだよ。ついでに部活も一緒』
兄「よかったな。いいやつそうじゃん」
『そうだね』
ふと、兄から視線を外す。
『あれ?お兄ちゃん車は?』
いつもは門の付近に止まっているはずの車が
見当たらなかった。
兄「ちょっと向こうに止めてある。
『坂ノ下商店』ってとこの前。
母さんに買い出し頼まれたから」
そう言って、兄は私に買ったものが入った袋を見せてきた。
兄「そしたら、烏野が見えてさ。
何となく歩いてみっかなー、って」
『変なの』
兄はいっつもそうだ。
思い立ったらすぐ行動、なのはいいけれど
思い立つことが不思議なことばっかりで、
でもそんなところが兄らしくていいと思うところだ。
兄「なんでもいい。行くぞ」