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体力の代わりに

第7章 青城戦


『あ、えっと・・・『及川さん』・・・』

後ろから聞こえた声で
誰なのかはすぐわかったけれど、
呼び方に困って言い淀んだ。

ゆっくりと振り返ることで
不自然さを緩和させる。

『えっと・・・残念ですが、
青城への入学は
兄の許しを得られませんでした』

国「家から少し離れてるもんね」

英くんは暗に納得するが、

及「言ってくれたら先輩を説得したよ!!」

この人は引き下がらないらしい。

ただ、この言葉は
私にとって少しだけ嬉しいものだった。

(青城にいる未来はあったのかもしれない)

『ありがとうございます。
気持ちだけ頂きますね、“及川先輩”』

及「!!??」

私は心のどこかで
自分が青城の生徒であり、
更にはバレーボール部の
マネージャーである世界を
信じていたのだ。

今も信じている。

だから―――

『どこかのパラレルワールドで
私は青城の生徒かもしれません。
あなたの後輩かもしれない』

驚きを隠せない先輩と英くんを
言葉とともに置き去って
私は体育館を後にした。
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