第4章 クラスメイト
影「俺は自己チューなんかじゃねえ。『エンジェル』」
『そのあだ名、何で知ってるの』
どうやらさっきの私の態度は、
気に障っていたらしい。
それにしても、ホントに、
何でその名を知っているの?
影「俺は決勝の日お前を見た。正確にはお前の車イスだ。
お前自身の姿は、押してるヤツに隠れて見えなかった。
そこでお前が『エンジェル』と呼ばれていた」
よくわかったな、と感心しながら、
『自己チューじゃないって言うなら、
どうして“ああ”なった?』
つい、言ってしまった。
影(ゾクッ)
『ほら、言い返せない』
そばに居る月島くんたちが、
私を見て唖然としている。
みんな、予想外、といった顔をしていた。
影「・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・切り上げるぞ」
日「!!?ええっ!?
おいっ」
影山くんは、しばらく私をにらみつけて、
月島くんの時のように、
横を通り過ぎてしまった。
月「・・・」
一瞬、ほんの一瞬だけ月島くんがこちらを見た。
月「逃げんの?“王様”も大した事ないね~~
明日の試合も王様相手に勝てちゃったりして―――・・・」
でも、そんなことは、
次に目の前で起きたことがあまりに衝撃的すぎて、
どうでもよくなってしまった。
月島くんが宙に放ったボールを、
日向くんがものすごいジャンプで奪い返した。
その出来事が。