第7章 青城戦
及「すみませんでした!!
おっしゃる通りです。
俺、ずっと猫かぶってました!!」
新「そんなの出会ってすぐ気づいてたよ」
用意された言葉が
兄の口から出た。
及「え。えぇーーーーーーーー。
それなら早く言ってくださいよ!!
俺の努力が・・・」
新「変なところで努力するな。
いつか壊れるぞ。
素が一番いい」
この数分の会話だけで
兄が部活中相当幅を利かせていたことが
伺いしれた。
猫もかぶりたくなる。
ところで、兄と『及川さん』は
二人の世界で話をしている。
つまり、周りの事は
微塵も気にしていないということだ。
だから、
私は周りが退屈しているものだと
思っていた。
だが、予想は大ハズレ。
烏野の部員も、青城の部員も
楽しそうに二人のことを見ていた。
試合がしたくてしょうがない様子だった
日向くんでさえ、
普段あまり見ないような光景に
ワクワクしている。
この状況に免じて、
(しばらく様子を見るか・・・)
と、甘いことを考えた
私が馬鹿だった。