第7章 青城戦
そんな『及川さん』を
田中先輩が怖い顔で見て
誰なのかと問うた。
特定の人に聞いたわけではなく
単なる疑問だったのだろうが、
影山くんが答えを持ち合わせていた。
その影山くんは
彼のことをバレーがうまいと褒めながら
月島くん以上に性格の悪い
中学の先輩だと語った。
月島くんの表情が
ピクリと動いたが、
そんなことを気にする前に
影山くんの意識は
『及川さん』に向いてしまった。
及「やっほー トビオちゃん
久しぶり~育ったねー」
声をかけられてしまえば
仕方の無いことだ。
彼の口ぶりからどうやら
影山くんの言葉に一切の偽りは
なさそうだと思われた。
『及川さん』は続ける。
及「元気に“王様”
やって・・・・・・る・・・・・・?」
しかし、急に血の気が引いたように
声が小さくなってしまった。
理由は単純明快。
彼の視界には――