• テキストサイズ

体力の代わりに

第2章 体力


菅原side

教室には、月原が一人で入っていった。

菅「今度は俺が押してくべ」

俺たちのことを気にしてか、
かなり早く出てきた月原に向かって言う。

田「いやー、初め見たときは驚いたけど、
  お前だろ、噂になってた金髪は」

さっきまで異様なほど静かだった田中が、
雰囲気に慣れてきたようで話し出す。

『え、噂になってたんですか?』

菅「おう。入学早々金髪なんて勇気あるなってのが
  ほとんどだったけど、月原は元が金なんだろ?」

『あ、はい』

月原の雰囲気と、周りの空気から、
俺は直感的に、染めた髪じゃないと感じていた。

本当に綺麗な色だ。

田「そういや、お前、家はどこだ?」

『えっと・・・。ここから車で十分くらいのところです』

菅「ちょっと遠いな」

そこまで送っていくのはさすがに無理だ。

『さっき、迎えを呼んだので、玄関までで、はい、あの、
 大丈夫です』

先輩に話すことに慣れていないのか、
ぎこちないしゃべり方の月原。

菅(迎えが来るのは、当たり前だよな・・・)

だからといって玄関まで行っただけで、
はいまた明日、とは言えない。

あ、そうか。

菅「迎えが来るまで、待ってる」

一番いい方法だと思った。

『・・・ありがとう、ございます・・・』

菅・田「///」

月原の顔が見えない位置にいた俺たちが、
赤面してしまうほど、可愛い声だった。

顔も見たかったな。
/ 163ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp