第2章 僕だけ
とまぁ、こんな事は頻繁にあるわけで……
この前なんて、永倉さんや平助君と一緒に床の水拭きをしていた時、全部終わった後に水の入った桶を沖田さんにひっくり返された時は…あれはさすがに泣きそうだったなぁ…
そして今は一人で庭掃除をしているんだけど、今日は沖田さんが来る前に終らせてしまおう!
私はそう思っていそいそと掃除を始めた
しかし……
「千鶴ちゃん」
「…お、沖田…さん……」
あぁ…神様仏様、私に一体なんの恨みがあるのでしょうか……
「…今日は一人なんだね」
「え?まぁ、いつもは皆さんが声を掛けて手伝って下さいますけど…」
「ふ~ん。千鶴ちゃんの周りには頼りになる人がいっぱいいるんだねぇ」
「?はい、皆さんお優しいですし」
すると沖田さんは、私の持っていた箒を自分の手に取った
「あ、あの…」
「今日は僕が手伝ってあげるよ」
「え"…?」
「何かな、今の声と顔は」
「い、いえっ!!…あの!掃除はいいですよ!あと少しで終っちゃいますから!」
「あと少しって……まだ半分ちょっともあるのに?」
…確かに。悩み事(主に沖田さんの態度について)をしていて全然手をつけていない庭掃除
他にもやる事はあるから手を借りたいのは山々なんだけど…………沖田さんかぁ…
「千鶴ちゃん、今失礼な事思ったでしょ」
「えッ!?アハハハ、まさかぁ!」
「…まぁ良いけど、他にもやる事残ってるんでしょう?君も早く手を動かしなよ」
そう言われて沖田さんに目を向けると、なんとも真面目に掃除をしてくれているじゃありませんか!…ゆ、夢!?
私は慌てて箒を取りに行き、沖田さんと一緒に掃除を始めた