第2章 僕だけ
沖田さんが冷たいと感じ始めたのは、ニ週間ほど前から
最初は些細な事だった
私が洗濯物を取り込んでいる所に斎藤さんと一緒に沖田さんが通りかかり
「本当に毎日よくやるね、千鶴ちゃん」
「私に出来る事は限られていますから、やれる事は何でもやりたいんです」
「良い心掛けだ。しかし、その量を一人は大変だろう…、手を貸そう」
「え…でも………」
「構わん、俺がそうしたいだけだ…」
「ありがとうございます、斎藤さん」
そんな流れで、私と斎藤さんは取り込んだ洗濯物を手分けして畳む事にした
そうなると必然的に沖田さんも一緒について来るわけで……
「…あ、あの~…沖田さん?」
「なぁに?」
「いえ、その……」
「言いたい事があるなら、はっきり言いなよ」
「なら、言わせてもらうが……畳んだ洗濯物を次々に広げていくのは嫌がらせか?」
そう、さっきから沖田さんは私の畳んだ洗濯物を片っ端から広げているのだった
「人聞きが悪いなぁ、嫌がらせなんてしてないよ?洗った洗濯物に汚れが残ってないか確認しただけだよ、一君」
「……そういう事は畳む前にやれ。二度手間になるだろう」
そう言った斎藤さんの言葉を聞いて、沖田さんは小さく笑うと立ち上がり
「分かってるよ、そんな事。でも、それじゃつまらないし」
そう言って部屋を出ていった
残された私と斎藤さんは唖然とし、沖田さんが去った襖を暫く見つめていた