第3章 黄色のキセキ。
しばらく何事もなく日常が流れた。
るりちゃんも部活にはすっかり馴染んだ。
この頃には俺も無事にレギュラー入りを果たしていた。
お昼休みはレギュラーメンバーと桃っちとるりちゃんとでお弁当を食べるのが普通になっていた。
なんだか青春って感じで俺はすごい好きな時間だった。
るりちゃんはすっかりみんなの真ん中に居た。
見ていて面白いぐらい、
全員がるりちゃんの事を見ていた。
「神谷…その、神谷の今日のラッキーアイテムは大凶のおみくじなのだよ。ほら、これをやるのだよ。」
緑間っちはいつものすまし顔でるりちゃんに
何かを手渡した。
「へ!?あ、ありがとうございます。…うわぁ…大凶って初めて見た…。」
るりちゃんはまた微妙な反応をしていた。
まぁ、大凶のおみくじもらってもねぇ…?
「うわぁ!俺も初めて見たっス!緑間っち!その大凶のおみくじってどんだけ時間かけて手にいれたんスか!?」
俺がそういうと、緑間っちは顔を真っ赤にしていた。
「別に、す、すぐ出たのだよ!な、なぜなら俺は今日最下位だからなっ!」
緑間っちは見事なドヤ顔をしていた。
「お前バカか?そこドヤ顔するとこじゃねぇーだろ?あ、その玉子焼きもーらいっ!」
青峰っちがるりちゃんのお弁当箱から玉子焼きをヒョイっと奪い取った。
「あー!もう!大ちゃん!ごめんねぇ?るりちゃん!はいっ!代わりに私の作った玉子焼きあげるね!あーんしてっ!」
桃っちがダークマターのような黒焦げの何かを
るりちゃんの口元に差し出した。
「え!?…あ…えっと…はい…。」
渋々るりちゃんは口をあけていた。