第3章 黄色のキセキ。
それから事態は決して丸くは収まらなかったが
問題を起こした2軍のメンバーの退部という
形でおさまったようだった。
るりっちはそれ以来部活にも来なくなった。
そして、廊下ですれ違っても
俺たちを見ると逃げるようになった。
辛いような
なんともいえない気分だった。
「るりっち…」
声をかけるも、
駆け足で逃げていく彼女を追いかける元気は無かった。
"俺は何もしてないのに…"
そんな気持ちが大きかったからかもしれない。
プライドが邪魔して追いかけようとしなかったのかもしれない。
ただただ認めてほしくて
「黄瀬くんってすごいね」って笑って欲しくて…
気がつけば
ずっと前から好きだったのかもしれない。
あの時俺は君に認めてほしかった。