第3章 黄色のキセキ。
「あ、あの、お友達ですか?」
るりちゃんは俺にそう尋ねた。
そうか、この子が部活に入ってから
灰崎はまともに部活に参加してないんだ。
「いや。ただの知り合いっス。」
「…そうですか。」
あえて灰崎の事は紹介しなかった。
なんとなく紹介したくなかった。
それから、あのマネージャー二人は本当に帰ったようで
なんだか少しだけ場が混乱していた。
るりちゃんもどうにかしなきゃと思ったのか、
一生懸命早く動こうと努力しているようだった。
…。
…。
…。
なんだろう。
やっぱり可愛いなぁ。
一人でワタワタとしている彼女を見ると、
つい助けたくなってしまったが、
そこで同情するのは彼女のためにならないと思ったので
見守る事にした。
その後、しばらくしてあの二人のマネージャーは退部した。
そして、灰崎祥吾も
赤司っちの命令によって
強制退部させられた。
やっぱり
何か嫌な予感がした。