第3章 黄色のキセキ。
部室を飛び出して、
しばらく廊下を歩いていると、桃っちを見つけた。
「桃っち!るりちゃん知らないっスか!?」
「へ?あ、もうるりちゃんなら帰りましたよ。」
桃っちは不思議そうな顔でそう言った。
「まじスか!?もぉー、帰るの早すぎっスよぉー。」
俺は慌てて玄関の方へ全力疾走した。
下駄箱の方に人影があった。
靴を履き替えているるりちゃんだった。
間に合った…。
「あ、ちょっと待ってほしいっス!」
俺は彼女に声を掛けると、
ふぅっと息を吐き出し息を整えた。
彼女は少し驚いた顔をしたあと、
何だか気まずそうな顔をした。
「あ…お疲れ様です。」
少し小さめな声で、彼女はそう挨拶をした。
少しだけ俺を怖がっているようだった。
…そりゃあんだけきつめに言えばそうなるよな…。
そう思うと、
更に申し訳なくてたまらなくなった。