第3章 黄色のキセキ。
それから彼女は桃っちにいろいろ教わっている様子だった。
赤司っちの言う事は絶対にしろ…
やっぱり気に食わなかった。
「黄瀬くん。練習に集中してください。」
ふっといきなり背後に居た黒子っちに声を掛けられ
心臓が跳ね上がった。
「うわぁ!?ちょ、いつから後ろに居たんスか!?」
「さっきから居ましたけど…。黄瀬くんがずっとシュート打たないで神谷さんの事ばかり見つめているから後ろが詰まっています。」
「べ、別に見つめてないっスよ!…ただ、気に食わないだけで…。」
俺がそういうと、黒子っちは不思議そうな顔をしていた。
「何が気に食わないんですか?」
「なんていうか…お情けで入部させてもらったような感じがっスかね?」
「決してお情けではないです。…彼女はすごい人ですよ。」
黒子っちはそういうと俺からボールを奪い取ると、
ゴールに向かってシュートした。
そのシュートは見事に外れた。
「…黒子っち。なんか今のはかっこ悪いっス。」
「…ほっといてください。」
黒子っちは顔を少し赤くしていた。