第3章 黄色のキセキ。
そもそも、
男子の部活のマネージャーになる女っていうのは
下心があるようであんまり好きじゃない。
桃っちみたいにすごい能力もなさそうだし、
この子だってきっとそうに違いない。
そう思うと、やっぱりなんだか許せなかった。
「マネージャーにするにしても、2軍や3軍でいいじゃないっスか!いきなり1軍って…キャプテンおかしいっスよ!だってこの人、腕と足も完治してないみたいだから練習も手伝えないし、桃っちみたいにすごいとは思えないし…」
その俺の発言に、赤司っちは無表情だった。
彼女は赤司っちの隣でしょんぼりしていた。
「別におかしくはない。彼女にはそれに相応する能力がある。いずれお前もわかる。以上だ。さっさと練習に戻れ。」
赤司っちはそういうと、
足早に練習へ向かった。
赤司っちの事を信頼してないわけではない。
でも、赤司っちも所詮男だから、
きっとこの子に騙されているだけに違いない。
男の自分が言うのもなんだけど、
男って単純なもんだから。
ポツンと残されて気まずそうにしている彼女をじっと見つめた。
「ちょっと、あんた。」
「は、はい。」
「キャプテンはああ言ってるけど、俺は認めないっスよ!」
俺はそう言い放つと練習に戻った。
彼女はまた悲しそうな顔をしていた。