第3章 黄色のキセキ。
が、別にそこまではどうでもよかった。
この年代の女の子って
大体『悲劇なヒロインな私』に酔っているものだし、
割と軽いイジメとかでも大袈裟に盛って話したりするし、
そんなもんだろうって程度の認識だった。
別に女の子を全て知り尽くしているわけでもないけど、
結構いろいろな女の子と関わってきたから
そんなもんだと思う。
でも、俺は彼女が気に入らなかった。
何が気に入らなかったかって、
神谷るりって女の子が赤司征十郎キャプテンのお気に入りでいきなり1軍担当のマネージャーになる事になったからだ。
そもそも、マネージャーに1軍、2軍、3軍もないわけで、
なぜ急に何も出来なさそうな彼女が1軍の専属マネージャー的な扱いになるのか、
俺にはさっぱり理解できなかった。
俺は当然のように赤司っちに意見した。
「キャプテン、なんでっスか?同情かなにかっスか?」
その俺の一言に赤司っちは首をかしげた。
「同情?何がだ?」
「この人の事っスよ!」
俺が彼女を指差すと、
彼女は悲しそうな困った顔をした。
まーた、そんな顔して。
同情されると思ってるんスか?
人生そう簡単なもんじゃないっスよ。
そんな想いを込めながら
彼女をにらみつけた。