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Other Side COLORS☆黒子のバスケ

第1章 緑色のキセキ。


それからしばしば彼女を見かける機会が増えた。

どうやら同じ1年生のようだ。

何度もハンカチのお礼をと試みたが
いざ目の前にすると緊張してしまい、
結局話し掛けれずにいた。

図書室で彼女を見かけた時、
彼女は一生懸命にバスケの本を読んでいた。

バスケが好きなのだろうか。
必死に本を眺める彼女の横顔はキレイだった。


思わず課題も手に付かず
彼女をじっと見つめる。


「ねぇー、ミドちーん。何見てんのぉー?」
ふと視界に紫原の顔が入り込む。

「っな!?何も見ていないのだよ!」
俺は慌てて課題の方へと目を戻す。

「…最近、何をするにしても少し上の空だな。何かあったか?」

赤司がスラスラと課題を終わらせながら
俺に尋ねる。

「あ、それ俺も思ってたぁー。ミドちん、何か変。」
紫原はその赤司の解いた問題の答えを横から覗き込むと
自分のノートに書き写していた。

「…何もないのだよ。」
俺はふと課題から再び彼女の方へと視線を戻す。
彼女は相変わらずじっと本を読んでいた。

目が離せなかった。

「そうか。」

赤司はそう呟くとノートを閉じた。

「あ!赤ちん!もぉちょっと!写させてよぉー!」
「自分でやれ。身につかんぞ。」

「ぶぅー、赤ちんのケチっ!じゃぁ、ミドちん見せてー!…ミドちん?」


「・・・あぁ。」


これはなんなのだろう。
周りも見えなくなるぐらい、

彼女しか見えなかった。






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