第2章 紫色のキセキ。
全中が近くなってきた頃、
るりちんが月バスをニコニコしながら
じっと眺めていた。
「るりちん、何見てんのー?」
俺は後ろから月バスを読むるりちんを後ろから
抱きしめた。
「うひゃ!?む、紫原くん!?」
るりちんは相変わらず顔を真っ赤にして
俺の腕の中でもがいていた。
るりちんの読んでいる
ページをじっと眺めた。
『中学バスケ~無冠の五将特集~』
「むかんのごしょう?」
俺がそういうと、
さっきまで俺の腕の中でもがいていたるりちんは
嬉しそうに顔をあげた。
「はい!無冠の五将です!知ってますか?」
「え~?知らない。何それ。」
俺がそういうと、
るりちんは嬉々とした顔で説明をはじめた。
どうやら俺たちの1コ上の学年で、
俺たちの活躍によって霞んでしまったが、
天才と呼ばれる確かな才能をもった5人組…
との事だった。
「…ふぅーん。」
あまり興味がなかったので
るりちんの説明もほぼ聞き流していた。