第2章 紫色のキセキ。
「…なんだ?」
赤ちんは眉をひそめた。
「ん~?赤ちんはすごいなぁっと思って。」
俺がそういうと、
赤ちんは少しだけ困ったような複雑な表情になった。
「…何が欲しいんだ?お菓子か?」
「別にー。そんなつもりで言ったんじゃないしー。」
「…そうか。」
赤ちんは静かに笑った。
「赤ちんはさー。好きな子とかいるの?」
俺がそう尋ねると、
赤ちんは少し驚いた顔をして、
それから静かに柔らかく笑った。
「さぁ、どうかな。」
「はぁ?何それー。」
俺は頬を膨らませてそういうと、
赤ちんはまた静かに笑ってそのまま、
また練習に戻って行った。
るりちんの方をふっと見た。
相変わらず黒く長いポニーテールが
走るたびにふわふわとゆれていた。
思わず溜息が出た。