第2章 紫色のキセキ。
「む、紫原くんは!?」
るりちんは唐突に俺にそう尋ねた。
「は?」
「好きな人!いないんですか?」
るりちんはすごく楽しそうな顔をした。
は!?
好きな人!?
そんなんいねぇーし!
いや、まぁ、ちょっと目の前のあんたが
気になる程度で…
でもそれは別に好きってわけじゃねぇし…。
「い、いないし!何聞いてんの!?るりちんのバカっ!」
俺がそう言うと、
るりちんは少し驚いた顔をした後、
笑い始めた。
「っな!なんで笑うの~!」
「す、すいません。なんだかわかりやすい方だなぁって…。」
るりちんは笑い終わるとそう言った。
はぁ?
あんたに言われたくないんだけど。
そう思った事は口にはしなかった。
「お互い、頑張りましょうね!!」
るりちんはそういうと
楽しそうに帰って行った。
思わず溜息が出た。
お互い頑張りましょうねって言ったって…
多分、俺の好きな人は
彼女なんだ。