第2章 紫色のキセキ。
「はぁ・・・。」
思わず溜息をついて帰ろうと歩き始めた時、
またるりちんがこちらに向かって走ってきた。
「紫原くん!」
「何~?」
「これ!さっきのまいう棒のお礼!」
そういうとるりちんは
未開封のレモン味のグミを差し出した。
「ん~?くれるのぉ~?」
「うん!すいません。これぐらいしかなくて…じゃぁ!また明日!」
そういうと
またるりちんはパタパタと走っていってしまった。
「お礼って…まいう棒よりずっと高い奴じゃん。バカなの?」
そう言いつつも、
グミの袋を開けると、
さっそく一個口に入れた。
甘酸っぱいレモンの味が口に広がった。
なんだか無性に
寂しくなった。